チェリーサーモンの食性
いるのはわかっている。
どこに毛鉤を落として、どこを泳がせればいいのかさえもわかっている。
胃が痛くなるような神経戦だ。
間違えは許されないプレゼントとドリフト。
何も起きないときは何も起きない。
チェリーサーモンアングラーは厳しい現実ととなりあわせである。
頼るものが欲しい。
誰でもそう思うのではないか・・・・・。
河川に遡上したチェリーサーモンは摂餌をしないと言われている。
しかしながら、色についての記事で記載したが例外もある。
採捕データーが少ないので何とも言えないとこだが、釣り(ルアー・フライ)
で釣り上げられて胃の内容物を調べた結果、僅かな川虫等が入っていたと言う
結果がある、。
ただ言える事は河川に遡上しての時間経過及び、遡上距離に比例(成熟にも比例)しているとも考えられるが、徐々に摂餌の本能が失われる傾向にある。
しかしながら、チェリーサーモンアングラーの中で渇水になったイブニング
大きなセッジにライズをする。チェリーサーモンが水面上の動く物に非常に
反応する時期があることが知られている。
あんな小さな脳に記憶する機能が備わっているかは定かでないが、河川のにおいをかぎ分けて母なる河川に遡上する。この事からも記憶能力は存在する可能性
は示唆される。
もう一つ言える事は河川残留型の8寸か9寸のヤマメと同じという事。
いくら2尺3キロと大きな体躯をしているが、年齢は同じである。
盛んに水棲昆虫を摂餌していた頃の記憶を有していても不思議はない。
その事実との因果関係は分からないが遡上して時間が経過して2尺ヤマメに戻ると水平方向へ大きく動かなくなる傾向が見られる、遡上間もないフレッシュの頃と違い
大きなモノを追わなくなり、上下の移動の補食行動が多くなる。
このことを裏付けるものは、非常に少ないが、そう言う場面がかなり多かった。
毛鉤をどこで見つけ、どこでとらえるかが、こういう補食行動をするのではないかとおもわれる。
この場合も、光と影が大きく関係していると思う。
比較対象になるかは読者の方にお任せするが、エゾイワナ(アメマス)も遡上
して距離を移動、精巣・卵巣が成熟してくると摂餌行動を取らなくなる。
この現象は多くのサケ・マス族に観られる共通項だと考えられる。
が、アメマスは産卵後、チェリーサーモンと違い、斃死することなく河川を下り
摂餌して体力を回復させる個体も多い。
以前記載した通り、チェリーサーモンは日本で釣り対象となるサケ科遡上魚
の中で一番上流部を目指す傾向にある。他のカラフトマス・シロザケ等と比較
すると相当上流を目指す、カラフトマスの様に潮騒が聞こえる様な河口近くで
チェリーサーモンは産卵しない、山奥の人里はなれた小さな支流を目指す。
何故かは解らないが、孵化後河川生活が短く体長が数センチ程度で春には直ぐに海に下るカラフトマス・シロザケと違い、河川での生活が長いチェリーサーモンは自分の子供の生活環境を考慮して上流を目指すのではないだろうか。
本題から逸れてしまったが、成熟する時期が河川遡上時期との時間がずれていればいる程、フレッシュと呼ばれる銀色の状態で河川に遡上し、ルアーやフライ
はたまた、餌で釣り易いのは言うまでもない。
成熟(ブナ)と呼ばれる婚姻色が出た状態で河川に遡上するシロザケでも、海
で、はえ縄と呼ばれ海中に沈めた仕掛け。シロザケを捕獲する漁法の餌はサンマ
の切り身だ。ピカピカ光り、においもあり、しかも食べればシロザケでも旨いと
思って口にするだろう・・・・・。
光輝き、体力満々の個体ほど、色々なモノに興味を抱くと考えられる。
光を失い河川生活が長くなり、川魚に変化すればするほど、チェリーサーモンは色々なモノ!に興味を失い、生殖行動と言う子孫を残す本能に支配されるのではないだろうか・・・・・そんな厳しい自然界の中、一瞬子供の頃を思い出し、
はしゃぐ日があるのだろう・・・・そんな日に当たれば良いのだが。
こんなフライで釣りたい。
水が下がった夏場の酸素量豊富な深瀬に、彼女達は必ずいる。
フライをとらえるかどうかは、彼女達次第なのかもしれない…。
2014/8/7
[13回]
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