The Traditional Fly Fishing NEXT 15
オリジナルフライ
変えるだけで、美しさ、戦闘能力、バランス、使うマテリアルが変わってしまうフックについて考えるといろいろなことが頭をよぎる。
バランスを考えるとフック(フライの骨組み)は非常に大きな存在になる。
ワイヤーの太さやベントのカーブ・アイの形状などなどフックに合わせるタイイングは難しい。 大きく変わるフィールドや流れ、対象魚の激減、釣り人口など考えなくてはならないことが山ほどある。
フライフィッシャーやサーモンフィッシャーは釣りたいからフライを巻く。
思い描く流れや魚。
美しく、戦闘能力抜群のフライを求めているはずである。
想いを込めたフライで釣りたい。
先人達の残してくれた資料や語り継がれたことはとても大きな存在である。
水の色、水のにおい、水の勢い、水の粘り、考えることは山ほどある。
対象魚や季節、釣り方、システムまだまだいろいろあるが・・・・。
釣りたい魚に合わせていろいろ考えるわけだが、せめて、縛り付けるマテリアルは自由でありたい。
釣りたい想いで考え、実践し、試行錯誤を繰り返して・・・・。
釣りたい想いと試行錯誤を繰り返して、達人達が考えた必殺鈎がローカルフライなのではないか・・・。
日本におけるフィールドでも、その川に精通することで、ローカルフライが存在してもいいのではないか…?
あるようでないのが、日本のローカルフライ。 わずかにはあるにはあるが・・・・・。
個人が考えるオリジナルフライ、ある河川で有効なフライがローカルフライ、どこでもそこそこ力を発揮するのがジェェラルフライ。
私は釣るべく川で、フライを考え、フライを巻く。
もちろん、川だけではなく対象魚や季節も考えるのだが、なかなか難しく、そこがまた面白い。 オリジナルフライを使うことは釣れない日々を送ることも多々ある。
魚の活性さえあがれば、何でも釣れると豪語する達人もいるが、はたしてそうだろうか・・・? 私はこういう経験をしたことがある。 その日は、活性が高かったのだと思うが、オリーブのフライがヒットフライだった。 全く正反対の色を使ったフライを使ったところ、何も怒らない。元のフライに戻したら、何の疑いもなくフライを魚達は捕らえた。
何でもいいってことはないとつくづく思った瞬間である。
数回に渡り、チェリーサーモンフライのことを書いてきたが、紹介したフライがいつでもどこでも釣れるわけではない。 条件があったときに初めて釣れるわけで、サイズや色シルエットなどを考え、現場でいつでも結べる毛鉤を持っていることが極めて重要である。 それを考え、巻くという勘とセンスもなくてはならないと思う。
色についても、少し触れてきた。
考えることは、山ほどある。
通った川のローカルフライを考える、必殺・秒殺そこまではいかないが・・・・。ローカルフライをテーマに何回か書いていこうと思う。
そのものズバリのその川で通用するローカルフライを考えていこうと思っている。
色について その3
人間にとって良く目立つ色はチェリーサーモンに見え易いとは限らない。
例えば、よく目立つ黄色を例にとってみても珊瑚礁に生息する明るい黄色をした魚は水深が深ければ深い程目立たない。何故なら海水の色はシアンなので、捕色になる。ピンク(マゼンダに近い)と黄色が頭と尻尾と真っ二つに別れている魚も存在する。
チェリーサーモンが識別可能な範囲の色とは関係あるか無いかは定かでないが、捕食魚が見え易ければとっくに食べられていて絶滅していただろう。
捕色とはカラーチャートの円グラフの反対の色(日本色彩学界参照)となり、お互い調和と言うか溶け合う色となる。
この捕色をフライに使いタイイングをすると綺麗に見えるのは自分だけなのか・・・・・・・。
赤と緑、黄色と紫、青とオレンジ(青は動物が作り出せない色)等。
無論、同系色でも綺麗に見えるが。
色は混ぜれば混ぜる程に暗くなり、黒に近づく。全く関係ない話だが古い絵画、特に印象派と呼ばれる名画は実際見ると暗く感じる・・・・・。当時の絵の具は、現在の様に発色しなかったから??重ねて想い描く色を作り出した結果だろうか??
専門家ではないので定かではないが、混ぜればより暗くなる。つまり染色したマテリアルは自然界に存在する鳥の羽の赤や緑(どちらも高価なマテリアル)
赤・緑をフライに持たせたいと考えると染めた羽では敵わない。
何処まで沈めても、赤であり緑であり、水を吸収して多少は変化するが、染色した羽は自然界の色には絶対敵わない。魚に対しての見え方は定かではないが・・・・。
上記したが青は自然界の動物が作り出せない色だ。青を作り出せない代わりに鳥類も昆虫も魚類も青を反射と屈折により造り上げた。
カワセミの青、ディスカスと言うアマゾンに生息する魚やモルフォ蝶も同じ原理で屈折と反射で青を作出した。
コガネムシやカナブンの様な昆虫も同じ原理で、最近流行りのマジョーラ塗装のロッドも同じだ(個人的にはあまり好きではないが・・・。)
昆虫の彼らは鳥類に捕食されにくい色(鳥は人間より紫外線域が見えるそうだ)モルフォ蝶
やコガネムシは太陽光を反射してピカピカ・チラチラしてフラッシュの役目になって見えにくい
そうだ。
カワセミを捕食対象とする生物ははまず上から狙うだろう・・・・・・。
チェリーサーモンも見えやすい対象を捕食(餌は殆ど取らないから攻撃か??)ばかりと
は限らないはずだが、黒いフライが効果的なのは解っている。(綺麗な水でも濁った水でも黒
は一番目立つ)が、目立ち過ぎても駄目な場合も少なく無いはずである。
秋を迎えた鮭科魚類は赤・紫・マゼンダ等に良く反応すると言われているが、チェリーサーモンは春から初夏に釣り易い魚だと言うか殆どの河川はその期間しか釣りが出来ない。
大ヤマメの釣りは秋にも可能だ。色々なカラーに巻いたフライを試して欲しい。
自然界の色を用いた色々なカラーのフライもどんどん巻いて試して欲しい。
色のバリエーションは無尽蔵にある。
釣れない色のフライも存在しないはずだ。
これしか釣れないと言う色のフライも又、存在しない。
2013/10/3
[15回]
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