The Traditional Fly Fishing NEXT 12
Hackel Wet Flies
簡単に巻けて、戦闘能力の高いWet Fly・・・。 あえてここでは、Wingless Wet Flyと呼ぶことにする。 多くの大ヤマメ、多くのチェリーサーモンを狂わせたフライでもある。 オリジナルも数多く巻いたが、ここでは、タイイングレシピに載っているフライを考えたいと思う。 よく使ったのは、Zulu, Infallible, Partridge&Orange, Marchbrownと多くのオリジナルである。
この4パターンとオリジナルフライを多用した。
Partridge&OrangeとMarchbrownサイズを問わないこのフライ達は、恐ろしいくらいに威力を発揮してくれた。
レシピではウィングのあるパターンのウィングをあえてハックリングして、スロートをウィングの前に巻いたり、うしろに巻いたりして楽しんだことも多い。 ウィングのないこのフライ達は、水中ではキールスタイルになることが多い。
このハックルフライの強さは、どこから見てもシルエットが変わらないことであると信じて疑わない。
多くのチェリーサーモンの顔を見せてくれたフライ達であるから・・・・。
小さなフライは、ナチュラルか静かなドラッグで釣りをし、大きく巻いたフライはドラッグをかけて多くの場面で成功した。 ロォーウォーター、ハイウォーター、ポイントや釣り方を選ばない、頼りになる相棒である。 サイズによって、しばりつけていくマテリアルの量は決まるが、あえて、極端に少なくしたり、暑く巻いたり、同じフライに違う仕事をしてもらったりもした。 非常に便利なフライである。 使い方さえ間違えなければ、Wingless Wet Flyはキラーフライの第一候補ではないか・・・・。
いつものこの言葉、”マテリアル選びと使い方”は生涯の課題でもある。 動き重視なのかシルエット重視なのかで、大きく変わるマテリアル選びとタイイング・・・・。 難しい・・・。
答えや終わりがない世界を楽しんでいるのだから、とことんつきあいたいと思っている。
フライフィッシング、そして、遡上魚の釣り、一生をかけて楽しみたいと思っている。
最近、がっかりする事がある。 30年以上前のタイイングレシピと今のレシピでは、違うフライがかなりある。
どういうことなのか??? 日本流?
それもわかるが、歴史と伝統、この二つをいつも考えていきたい。
あるフライはスロートハックルを3枚巻いた、しかし、今は違うマテリアルを使い1枚になっている。
このことが悪いと言っているのではない。
変わっていくフライ達のバランスやシルエット、もちろん戦闘能力にも影響は出ているはずだと思う。
釣れればなんでもいいんだという考えは私の中ではない。
時代背景や入手不可能のマテリアルなど、いくつかの事情でそうなっていくのだからしようがないと思っている。
先人達の残した偉大なるフライを、真正面から向き合って、タイイングするとき、いつもそう思う。悲しいことでもある。 無理なものは無理かなっ!!って考えるときもある。 できる限り近づきたいと思うのは、私だけなのだろうか・・・・。
私の釣りは枯れているのかなっ・・・?
使いたいフライで釣りたい魚を釣る、こういう遊びではないのかなって思うときが多くなった。
色について考える その1
生き物の色には意味がある。
鳥の雄は健康である事を雌にアピールする為に美しい羽を持ち、魚も然り婚姻色を纏い雌にアピールする。もし多くの哺乳類の様に祖先が夜行性なら魚や恐竜に祖先を持つ鳥は色鮮やかな色彩は意味を成さないし持たなかっただろう。識別出来るから色彩で着飾る。識別出来るから、意味を持つ。多くの魚類は色を識別出来ると考えられているが、深い海や深海に住む魚類は色はあまり意味を成さない。太陽光が届かないから、色を識別する必要がない。チェリーサーモンは浅い海を回遊するから色を識別する。必要がある。何故ならプラチナシルバーに輝く遡上したての魚は海洋生活に於いては保護色になる下からの外敵には反射する白腹巻とシルバーに輝く体側面は太陽光を反射して見えにくい、対してグリーンがかったブルーの背中は上からの外敵に見えにくい。それが解ってか河川に遡上したてのチェリーサーモンは臆病である。厳しい河川生活を続け前記した様に河川を遡上し続けて2ヶ月も経ち成熟する頃、婚姻色をうっすらと纏い美しい戻りヤマメに変化する。河川残留組と大きさは違えど、
体の色彩は同じようになる。浅いチャラチャラした瀬に入っていても非常に見えにくくなる。確かに保護色と言えるほどに見えにくい。眼で見た情報が認識出来なければあの様な体色を出すのは難しいだろう。両生類であるシュレーゲルアマガエルに至っても、綺麗なミントグリーンの個体は間違っても枯れた茶色い葉っぱの上では休まない。周りの色、つまり光の波長の違いを認識して自分の体色を合わせる。魚類に於いては読者の方々は管理釣り場に行った事があると思う。弱ったり、眼球表面が細菌や真菌に侵され白くなり、光を読み取れなくなった鱒類は上から視ると真っ黒に見える。はっきりと物凄く目立つ。眼からの情報が入らない、体が弱り、体色を保護色にするエネルギーが不足している。魚類は色彩を識別する事は生きる術であり、生きるエネルギーを得られる摂餌に大きく関係するはずである。
つやつやのバリバリ、こんなハックルでいつも巻きたい・・・。
2013/8/20
[8回]
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