The Traditional Fly Fishing NEXT 11
シュリンプフライ
後期のサクラマス釣りでラストを飾るフライのが、シュリンプフライである。
7月、8月、9月と禁漁ぎりぎりまで楽しむ私にはたよりになる相棒である。
ここで言うシュリンプフライの特徴と言えば、テールがハックリングされていることである。
ただ、ハックリングすればいいのかというと、マテリアル選びがものを言うフライでもある。
GPブレストやコックハックルを使うのだが、腰のあるマテリアルでなかったら、半分の仕事しかできないと思っている。時には、コックデレオンのサドルも使った。なかなかいい仕事をしてくれたが、上質のインドケープにはかなわないと思っている。
ちょうど今の季節、8月のお盆の頃、いくつかのチェリーサーモンを顔を見ることができた。
釣り方はフローティングラインのロングリーダー、ハンギングフライが多かった。
巻くにあたって、一番気にしたのは、テールの開閉動作を邪魔しないようにウィングは短くした。
ウィングがテールの開閉と干渉しないことがこのフライの命とも言える。
Tagはゴールドやシルバーのティンセルを使うことが多かった。
これは私のオリジナルの考えである。
先人たちが考え作り出したフライに一手間かけるのもおもしろい。
テールをハックリングして、さらにダブルハックルのフライも流れの強いポイントではよく使った。
フックはダブルかトレブル。シングルも使ったが魚の大きさと小さなフック、どうしても、ダブルやトレブルになってしまう。
しっかりとしたフッキングができれば、問題はないと思うのだが、釣り人は大胆でもあり、気の弱いところもあるものだ。
59cm スモールフライで・・・。
ちょっと一言
サケマスに限らず匂い物質は魚のコミュニケーションに重要な役割を果たしている。同種間の伝達は勿論、摂餌、ディスプレイ、回遊、危険回避等々、魚が自然界において生きる為に嗅覚は必要な役割を大きく担っている。人間は空気を介して匂いを感じるが魚は水を介してと大きな隔たりがあり、魚の匂いを感じる受容体で感知する為には水溶性でなければならない。魚は人にとり無臭である自然界にあまねく存在するL型アミノ酸の多くを匂いとして感じる事が出来る。ある実験で遡上するサケ科魚類の上流で人が手を洗うと危険を察知して遡上が止まる。この事象は数種類のサケ科で同じような行動が見られた。人、やアザラシ(北の浅い海を回遊するサケマスはアザラシが天敵)等、哺乳動物の油に含まれるL−セリンと言うアミノ酸に反応した行動だと考えられている。他にサケマスが反応するL型アミノ酸にはグルタミン酸、アスバラギン酸、グリシン、バリン、メチオニン等々、此処までアミノ酸の名前を明記すれば鋭い読者の方々はお気付きと思うが、栄養剤や目薬に含まれる成分が多い。彼等は必須アミノ酸を匂いとして感じて摂餌している。はたまた危険を察知するのに利用している。そして自分の産まれた河川の匂いをかぎ分ける為に、色々な水溶性物質を介して判別している。その鋭敏さは犬に匹敵すると言われている。L型アミノ酸10-3乗のアミノ酸水溶液では顕著な反応を示し10-6乗迄はきちんとした反応は見られる。色々な諸条件があるので、L型アミノ酸に対して反応する濃度は多少の前後はあるが。匂いとして感受性があるL型アミノ酸は海に棲息する魚類、マダイ・ぶり等々も同じような種類のL型アミノ酸に反応する実験結果もある。多くの魚類はアミノ酸を匂いとして判別しているが人は旨味成分として利用したり、体調を調える目的で利用している。
2013/8/12
[4回]
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