スペイフライ
なんでこんなに釣れるのだろう??
ロォーウォーターになる前のミッドウォーターのときによく使ったフライである。ゴールドリーチ・ブラックキング・パープルキング・グリーンキング、スペイコックをボディに巻いたフライである。いったい何に見えているのか・・・・。
小魚・セッジ・大型のカゲロウ???。
そんなことより,このフライの持つ生命感ではないのか・・・。
淵ではなく,深瀬で彼女たちを狂わせたフライたちであった。
私のドリフトが、深瀬に向いていたんだと思うが・・・・。
わからない、わからないがよく釣れる・・・・。
フローティングライン・シンキングライン・シンクティップ・改造ライン・・・。
スィンギングフライ・ハンギングフライ・ターン・ストップ・リトリーブ・・・・。
システムとメソッドを選ばなかったフライでもある。
ホームグラウンドの山梨県,桂川では、毎年、セッジの時期に大活躍をしている。
ある本に書いてあった,年間を通してサーモンを一番釣ったフライがゴールドリーチである。
一番多くのサーモンを釣ったフライの1位から12位までが書いてあったが、そのうちの6本がスペイフライである。3位がジョックスコットというのもうなづけるし、憧れてしまう。
なんでなんだろうと思い、使い続けたが、わからない。わかったことは釣れるということだけである。というか,釣ったということだけである。
このフライたちを持って、ユキシロが終わる6月以降によく川に向かった。
水量,水温的に大きなフライではない。
スペイフライを#8か#6に巻いて、よく使った。それより小さいフライはマテリアル的に無理があるから,使わなかった。
ミッドからロォー、使い続けていくフライではないか・・・・。
先人たちの感性は恐ろしいということを思い知らされたフライでもあった。
今年も、水が減らず,難しい釣りを強いられていたが,秋田で2匹のチェリーサーモンを狂わせたのも,スペイフライ(ゴールドリーチ)である。
小さい方は1X long #8
2013年6月 秋田 River Ani
ちょっと一言
海に出たスモルトは回遊の旅に出て,北を目指すと言われている。
小さいうちは甲殻類エビ・カニのプランクトンを補職して回遊しながら育ち、大きくなるとイカナゴ・ニシンなどの魚も補職すると考えられている。
最近は北の海で有名なハダカカメガイの仲間クリオネも捕食することがわかった。
チェリーサーモンの海での生活は短くおよそ1年、シロザケ(Oncorhyncus keta)およそ3年から4年、カラフトマス(Oncorhyncus gorbuscha)はおよそ2年と言われている。
回遊経路は謎が多く、チェリーサーモンはあまり遠くに行かず、せいぜい樺太程度と考えられている。
他のシロザケはアリューシャン列島を超えるし、マスノスケは何と、およそ5年の回遊生活である。
遠くに行く個体もいれば、チェリーサーモンの中には2〜3ヶ月で早々に海での生活を切り上げ、河川に遡上する個体、だいたい30cm〜40cm、中には,海まで降りずに気水域まで降りただけで帰ってきてしまう個体もいる。これが戻りヤマメである。
パーマークのあるものもいれば、ないものも含め、戻りヤマメである。
パーマークとは子供の証拠であるから、大人にならずに帰ってきた個体もいるということである。
よく、戻りヤマメは40cmをこすなどと言っている人がいるが、40cmを超す個体もいるし、8寸ぐらいの個体もいる。
海での生活の長さ、餌の量などでサイズは大きく変わる。成長も大きく変わる訳である。
群れで移動する戻りヤマメを釣ったとき、8寸が釣れれば、8寸ばかりになる。40cmを超える群れであれば,40cmばかり釣れるということである。
ちょっと寄り道だが,釣り好きの方なら知っていると思う。
クヌギ・コナラの雑木林、そろそろ出てくると思うが、ノコギリクワガタを想像してほしい。
バッファローのような湾曲した立派な大あごを持つ大型の格好いい個体(大歯型)
これもノコギリクワガタと疑いたくなるような小さなラジオペンチのような大あごを持つ(小歯型)
これらも3年1化、2年1化、1年1化とそれぞれの幼虫時代の長さと体重に比例しての大きさが変わる。
昆虫は幼虫時代の積算温度が重要らしい。
チェリーサーモンもノコギリクワガタも何らかの影響で同じ集団が消滅してしまっても、他の集団で再生産が可能にできていると考えられているらしい・・・・・。
2013/7/5
[9回]
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